アカホシテントウ
Chilocorus rubidus
 アカホシテントウは背中の紋様が他のテントウムシの紋様と違って、 ルビーのように透き通った赤色の紋様をしていてとても美しいテントウムシです。

 アカホシテントウは幼虫も成虫もタマカイガラムシを食べます。
 タマカイガラムシはウメ、クヌギ、クリなどの木に付くカイガラムシです。 左の写真の丸い茶色のものがタマカイガラムシの抜け殻です。
 この殻の中や下に卵が産みつけられていて、12月頃から孵化が始まり、この幼虫を食べにアカホシテントウがやってきます。
 12月になると、どこからかアカホシテントウが集ってきます。 タマカイガラムシの多くいる木にはアカホシテントウも多く見つかります。
 12月も終わりになると交尾しているテントウムシもよく目に付きます。産卵はいつになるのだろう。
 1月には餌をたっぷり食べて成熟を待っているようです。
 2月に入ってアカホシテントウの産卵が始まりました。 タマカイガラムシの殻の中に黄色いアカホシテントウの卵が見えます。
 黄色い卵が1個殻の外に出ていましたので見つける事が出来ました。卵を探すのは大変でしたがあちこちに見つかりました。
 4月に入って孵化が始まりました。卵の期間は二箇月もありました。 左の幼虫はタマカイガラムシで、右の幼虫がアカホシテントウです。 孵化したばかりの幼虫は体長約1oの小さいものです。 同じ大きさのカイガラムシを食べれるのだろうか。
 5月に入ると遅れて孵化した幼虫や大きい幼虫などが入り乱れて餌の取りあいに成ります。 中央部下の白っぽいものはアカホシテントウ2令幼虫の脱皮殻です。 左上の白いものはタマカイガラムシの脱皮殻です。木の枝枝には幼虫がとても多く見られました。
 5月中頃には終令幼虫がどんどん集ってきます。日に日に多くの幼虫が集ってきます。 アカホシテントウの蛹は集団で枝に見つかります。どうして集るのか謎だそうです。
 この謎をアカホシテントウに聞いてみたいですね。
 5月の終り頃に羽化が始まりました。羽化直後の羽の色はまっ黄色でした。 中羽を伸ばして乾燥(完成)を待っているようです。前胸部分は初めから完成しているようです(まっ黒です)。 3時間後には羽が茶色くなってきました。
 次々と羽化が続きます。3日たって茶色は濃くなりますがまだ黒くはなりません。 この枝にはおよそ50個の蛹がありましたが一週間後すべて羽化していました。
 付近の枝の合計で1000匹はいたようです。
 次々と羽化を終えたアカホシテントウは付近のウメの葉裏に移動していました。 付近一帯にはおびただしい数のアカホシテントウが誕生して6月の終りにはその殆どがどこかに飛び去りました。 8月にはおよそ50匹が葉裏に確認できました。
 上の観察は平成12年、八尾市久宝寺緑地でのものです。
 平成13年にもアカホシテントウはやってきました。 しかし、タマカイガラムシは激減しておりアカホシテントウの数は少なく幼虫も僅かでした。 しかし、残念な事に蛹の集った枝が誰かに折り取られて、一匹の成虫も見つかりませんでした。
  平成15年の春には再び大量のアカホシテントウが戻ってきました。 幼虫も大量に孵化しており、これらが育つのに必要なタマカイガラムシも沢山生息していました。
 夏場はサクラやエノキの葉裏で過ごしているようですがあまり見つかっていません。

 その他、大阪市東住吉区・今林公園のエノキ・・・9月。
       大阪市平野区加美南・平野川遊歩道のウメ・・・12月。
       柏原市山の井町・農地のウメ・・・7月。
       河内長野市加賀田・農地のスモモ・・・6月。
でアカホシテントウの成虫を採集しました。

 アカホシテントウの仲間のテントウムシ。
アマミアカホシテントウ。イシガキアカホシテントウ。エサキアカホシテントウ。タカラアカホシテントウ。
ヒメアカホシテントウ。(Chilocorus Kuwanae)
ミカドテントウ。(Chilocorus mikado)   イセテントウ。   

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