ベニヘリテントウ
Rodolia limbata
体長約6mm
生駒山山麓を八尾市神宮寺から登ったところにノバラの一群があります。
五月の中頃、このノバラにはキイロテントウがよく来ていました。
今年も来ているかどうかと探していて変わった蛹を見つけました。
ノバラの葉裏に5個の蛹がありました。初めて見る蛹で名前は分かりませんでした。
図鑑で調べようと持ち帰りましたが、家に帰り着いた時1匹が羽化し終えて成虫になっていました。
羽の色が橙色でした。 ベニヘリテントウかな、アカイロテントウかな、と期待して待っていると夜になってベニヘリテントウと判明しました。
ベニヘリテントウは幼虫も成虫もオオワラジカイガラムシを食べます。
左の画像はオオワラジカイガラムシの終令幼虫です。
アラカシ、マテバシイ、クロガネモチ、ノバラ等で見つかります。
5月頃アラカシの幹に白い脱皮殻が付いてよく目立つようになります。
上の左画像は、オオワラジカイガラムシの成虫で、白いのがメスで羽のあるのがオスです。
上中央の画像はベニヘリテントウの幼虫です。
上右の画像は白いわらじのようなのがベニヘリテントウの幼虫です。
よく似ていますので間違えないようしっかり観察する必要があります。
画像はベニヘリテントウの蛹です。
体長約6mm。葉裏に付いていますのでよく探さないと見つかりません。
アラカシなど大きな木は下から見上げるといいでしょう。
大阪市住之江区の南港野鳥園前の遊歩道のクロガネモチには数十匹のベニヘリテントウがいました。
画像は蛹を正面から見たところです。終令幼虫は尾端から粘液を出して葉裏に固着します。
1週間ぐらいで蛹になりますが、幼虫期の外皮の中で蛹になります。
ベダリアテントウやアカホシテントウ、ヒメアカホシテントウも同じように外皮の中で蛹になります。
羽化直後のベニヘリテントウはオレンジ色でとても美しいです。
羽化して(脱皮して)内羽を乾かしてから再び脱皮殻の中に戻りしばらく(1〜2日間)じっとしているようです。
その間に羽の周辺を残して黒く変色していきます。オレンジ色のままの方が美しいと思うのですがどうしてでしょう。
ベニヘリテントウの羽にはうすい毛が生えていて艶はありません。
6月羽化し終えた成虫がその後どこに移動するのか観察していません。 また、秋にも繁殖するのか観察できていません。

ベニヘリテントウの仲間のテントウムシ
ベダリアテントウ (Rodolia cardinalis)
アカヘリテントウ (Rodolia rufocincta)
アカイロテントウ (Rodolia concolor)
ダイダイテントウ (Rodolia pumila)

平成15年6月5日
大阪南港の野鳥園への道筋に観察に行ったが、オオワラジカイガラムシもベニヘリテントウも見つからなかった。

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