クモガタテントウ
Psyllobora vigintimaculata
 クモガタテントウは小型のテントウムシで体長は約2oです。 観察していて気が付きましたが、小さいながらもナミテントウなどと同じ動作をします。
 テントウムシは蛹の時に、ぴくんぴくんと背伸びをしますが、 こんな小さなクモガタテントウも盛んにぴくんぴくんと背伸びをしました。
 画像はセイタカアワダチソウの5月頃の姿です。秋には黄色の花を美しく咲かせます。 画像では葉が白く粉をかぶったようになっています。
 これはウドンコ病(白渋菌)に取り付かれているのです。 クモガタテントウはこの白渋菌を食べていますので、白渋菌のついた植物を探せばクモガタテントウがいます。
 春四月と秋十月頃に産卵するようです。クモカタテントウは年中見られますが夏は少なくなるようです。 白い卵を5〜6個産み付けています。
 4日後に孵化しました。画像が悪くて申し訳ありませんが右側のものが孵化幼虫です。
 体長は約1oです。
 2令幼虫です。
 体長は2oほどですが葉を裏返して見るとすぐ見つかります。葉から移動して茎で見つかる事もあります。
 終令幼虫は体長5mmくらいになっています。模様もはっきり見えています。
 蛹です。5日目のことでした。 蛹に幼虫が触れたり、葉先でそっと触れたりしますと威嚇のためか、ぴくんぴくんとからだを起こします。 また、羽化前にもぴくぴくと運動をしています。ナミテントウなども同じように動いています。
 羽化しました。7日目でした。羽化直後の羽は透明な白色でした。 大きなテントウムシと同じように内羽を伸ばして乾かしていました。
 1日ですっかり模様ができました。
クモガタテントウは白渋菌を食べますので飼育はとても楽です。菌のついた葉を与えておけばいいのです。
 容器も小さいもので飼えます。虫が小さいのでルーペは必要です。 2oほどの羽に白や茶色や黒の模様がこれほど精密に描かれる技に驚嘆させられます。
 左の画像はオナモミの葉で繁殖していたものです。一枚の葉に30匹ほど付いていました。 一株に葉が100枚、5株あって合計500枚、少なくみても1000匹、驚く数量でした。
 オナモミに限らず白渋菌に侵される植物は1本にとどまらず付近一帯に広まっています。
 セイタカアワダチソウでも大群落で繁殖しています。クモガタテントウの繁殖力も驚くべき強さです。 1987年に東京で初めて見つかった帰化種です。大阪市では街なかのセイタカアワダチソウで見つかっています。 秋にはエノキの黄ばみはじめた葉裏に、街路樹のアオギリの葉裏によく見つかります。
 あなたの地域では如何でしょうか。繁殖力が強いので多分見つかる事でしょう。

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