トホシテントウ
Epilachna admirabilis
 体長5.5〜7.5mm
 トホシテントウは羽の模様がサッカーボールのような、また亀の甲羅のような面白い模様でとても人気のあるテントウムシです。 5月下旬頃から見つかり始めます。アマチャヅルやカラスウリなどの葉を食べて育ちます。  アマチャヅルは4月に芽を出し5月下旬にはおよそ1mにまで伸びます。 これを待ってたかのようにしてトホシテントウが現れてきます。
 カラスウリはすこし遅れて6月頃に芽を出し、7月には1mほどに成長します。 この頃にはトホシテントウもカラスウリに移って来ます。 私の観察地である大阪府八尾市や柏原市では、一箇所に20匹くらい見つかります。
 アマチャヅルの葉をたべているトホシテントウです。 葉の脈を残して葉肉だけきれいに食べています。 このような虫食い痕のある葉を見つければトホシテントウも見つかります。
 カラスウリの葉も同じように食べますので食べ痕を見つけるとトホシテントウも見つけやすいと思います。
 トホシテントウの卵です。 ナナホシテントウやナミテントウはよく葉裏に産卵していますので、 葉裏ばかり探していてなかなか見つからなかったのですが、 ある日カラスウリの巻きひげの中にたまごが産み付けられているのが見つかりました。
 天敵の蜘蛛から守るためかもしれませんね。
 8月3日に見つけた卵は、8月30日には3令の幼虫になっていました。 推定ですが、卵期間は10日ぐらいでしょうか。 孵化後の1令幼虫は目測で1oくらい、3令幼虫で5mmくらいでした。
 ちいさい幼虫ですが葉の食痕をみて見つけられました。
 脱皮直後の幼虫はとても美しいです。 棘がまっ白で柔らかいようです。 数分後には棘は黒くなってきます。
 からだは黄色のままです。ニジュウヤホシテントウが同じような形ですが色は白色です。 オオニジュウヤホシテントウは黄色です。
 10月には終令幼虫になります。 体長は12oくらいになり、棘も硬そうに見えます。 棘の生え際が黒くなり、全体が黒っぽく見えます。
 11月から12月にかけてアマチャヅルもカラスウリも葉が枯れてきます。 そのため餌が無くなります。それまでに充分な栄養を摂っているのでしょう。
 自然界ではこの後、落ち葉の中や地中にもぐって蛹になり、翌年5月に羽化しアマチャヅルなどに現れるのです。 左の写真は、家で飼育していたものが3月22日に蛹化しました。 家の中は暖かいので早く蛹化したものと考えられます。
 蛹化直後はまっ黄色で、しばらくして模様が現れてきました。
 ユーモラスな模様が出てきました。
 ニジュウヤホシテントウ、ハラグロオオテントウ、シロジュウシホシテントウなどがよく似た模様です。
 自然界では落ち葉の下などで蛹化しているので、なかなか見つかりません。 2月に枯れ木につかまった幼虫を見ましたがその後見失いました。
 羽化直後は、まっ黄色の羽でナナホシテントウやナミテントウと同じようでした。 1時間後にはうっすらと模様が現れ翌日にははっきりとした模様になっていました。 トホシテントウの羽には淡い毛が密生しており、ナナホシテントウのような艶はありません。
 これは5月初めに見つけたトホシテントウの蛹の抜け殻です。 蛹化は落ち葉の中や地中で行われるなどと書かれていますが、 写真のようにテイカカズラの葉裏や笹の葉裏で抜け殻が見つかっています。 今後は羽化前の蛹を見つけようと意欲を燃やしています。
 また、年2回の発生と書かれていますので、この点の確認にも励みたいと考えています。

 トホシテントウの仲間のテントウムシ (植物の葉を食べる仲間)
 ジュウニマダラテントウ。
 ツシママダラテントウ。
 ニジュウヤホシテントウ。
 オオニジュウヤホシテントウ。
 ヤマトアザミテントウ。

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